■争点
■付加給
■調整
調整給カットの違法性)について 付加給・調整給カットの違法性については,以下の点を付加,訂正するほ か,原判決記載(103頁13行目から107頁8行目まで)のとおりであ るから,これを引用する。
(1) 同103頁23行目の「支給しなくてもは」を「支給しなくても」と 改める。
(2) 同107頁7,8行目を削除し,以下の記載を加える。
「なお,前記のとおり,当裁判所は新人事制度の導入,それに基づく職掌 別の賃金等の決定を無効と解するが,付加給・調整給カットは,総合職, 一般職,事務職を問わず55歳に到達することにより行われるものであり, 前記無効の問題とは別個の問題であると認めるのが相当である。
」 7 争点5(差額賃金等の請求権)について 控訴人らは,同年齢の男性一般職と同額の賃金の支給を受ける権利を有す ることを前提として,被控訴人給与規定の定める一般職標準本俸表の適用を 受ける権利を有するものとして,差額賃金等の請求をするが,それが理由が ないことは前記3(1)記載のとおりである。
更に,控訴人P3に対する専任職賃金カットは,労働基準法4条に違反し - 172 - 無効であるから,控訴人P3は,この専任職賃金カットがないものとしての 賃金の支給を受ける権利を有し,控訴人P5,同P4,同P1に対する調整 給カットも,同様に労働基準法4条に違反し無効であるから,同控訴人らは, 調整給カットがないものとしての賃金の支給を受ける権利を有するとして請 求するが,専任職賃金カット,調整給カットが無効であるとの同控訴人らの 主張が理由がないことは,前記認定のとおりである。
8 結論 以上から,原判決中,控訴人P1,同P2が,同控訴人らと被控訴人との 間で,同控訴人らが被控訴人の給与規定に基づく一般職標準本俸表の適用を 受ける雇用関係上の地位にあることの確認を求める部分についての判断は, 不適法であるからこれを取り消して,同訴えをいずれも却下することとし, 控訴人らの被控訴人に対する請求は,控訴人P3,同P4,同P1,同P2 について,主文第2項(1)の限度で理由があるから,同控訴人らの控訴及び 控訴人P3を除くその余の上記3名の控訴人らの当審における請求の拡張に 基づき,同主文の限度で認容し,控訴人P5,同P6の請求は理由がなく, 同控訴人らの控訴及び控訴人P5の当審における拡張請求はいずれも理由が ないから,各棄却する。
なお,認容する金員に付帯する遅延損害金の起算日及び利率は,以下のと おりである。
控訴人P3については,平成4年4月から平成7年7月まで40か月の賃 金相当損害金400万円,慰謝料120万円,弁護士費用110万円の合計 630万円は平成7年7月20日から,平成7年8月から平成9年1月まで 18か月の賃金相当損害金180万円は平成9年1月31日から,退職金相 当損害金32万7000円は,同控訴人が退職した平成9年1月31日から 7日が経過した平成9年2月8日(乙204によれば,退職金(年金制度に よる給付は除く。
)の支払時期については,退職後7日以内と定められてい - 173 - る。
なお,控訴人P4についても,この点は,同じである。
)から,各支払 済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払となる。
控訴人P4については,平成4年4月から平成7年7月まで40か月の賃 金相当損害金400万円,慰謝料180万円,弁護士費用300万円の合計 880万円は平成7年7月20日から,平成7年8月から平成9年3月まで 20か月の賃金相当損害金200万円は平成9年3月20日から,平成9年 4月から平成11年2月まで23か月の賃金相当損害金230万円は平成1 1年2月20日から,平成11年3月から平成13年3月までの25か月の 賃金相当損害金250万円は平成13年3月20日から,平成13年4月か ら平成14年7月までの16か月の賃金相当損害金160万円は平成14年 7月20日から,平成14年8月から平成15年7月まで12か月の賃金相 当損害金120万円は平成15年7月20日から,平成15年8月から平成 19年2月まで43か月の賃金相当損害金430万円は平成19年3月1日 から,退職金相当損害金85万0200円は,平成19年3月8日から,各 支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払となる。
控訴人P1については,平成4年4月から平成7年7月まで40か月の賃 金相当損害金400万円,慰謝料180万円,弁護士費用290万円の合計 870万円は平成7年7月20日から,平成7年8月から平成9年3月まで 20か月の賃金相当損害金200万円は平成9年3月20日から,平成9年 4月から平成11年2月まで23か月の賃金相当損害金230万円は平成1 1年2月20日から,平成11年3月から平成13年3月までの25か月の 賃金相当損害金250万円は平成13年3月20日から,平成13年4月か ら平成14年7月までの16か月の賃金相当損害金160万円は平成14年 7月20日から,平成14年8月から平成15年7月まで12か月の賃金相 当損害金120万円は平成15年7月20日から,平成15年8月から平成 19年2月まで43か月の賃金相当損害金430万円は平成19年3月1日 - 174 - から,各支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払となる。
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控訴人P2は,平成7年4月から同年7月まで4か月の賃金相当損害金4 0万円,慰謝料140万円,弁護士費用230万円の合計410万円は平成 7年7月20日から,平成7年8月から平成9年3月まで20か月の賃金相 当損害金200万円は平成9年3月20日から,平成9年4月から平成11 年2月まで23か月の賃金相当損害金230万円は平成11年2月20日か ら,平成11年3月から平成13年3月までの25か月の賃金相当損害金2 50万円は平成13年3月20日から,平成13年4月から平成14年7月 までの16か月の賃金相当損害金160万円は平成14年7月20日から, 平成14年8月から平成15年7月まで12か月の賃金相当損害金120万 円は平成15年7月20日から,平成15年8月から平成19年2月まで4 3か月の賃金相当損害金430万円は平成19年3月1日から,各支払済み まで年5分の割合による遅延損害金の支払となる。
よって,主文のとおり判決する。
イ権利の濫用となる事情 仮に,業務上の必要性が認められたとしても,その程度は極めて低いも のであり,以下に掲げる事情を勘案し,上記厳格な基準により判断すれば, 本件配転命令は権利の濫用により無効である。
(ア) 本件配転命令は客室乗務員の信頼を裏切るものであること 職種限定合意で指摘した事実は,権利濫用を基礎づける特段の事情の 一要素でもある。
職種限定合意までは認められないとしても,被控訴人 は控訴人らを客室乗務員として採用し,客室乗務員の訓練を受けさせて 客室乗務員として養成し,継続して客室乗務員職に従事させていたので あり,控訴人らは客室乗務員職に専従しそのキャリアを積むことを求め られていると考え,客室乗務員職を奪われることはないと信頼していた。
本件配転命令は,突然かつ一方的に控訴人らから客室乗務員職を奪い, 控訴人らの信頼を著しく裏切るものであった。
(イ) 本件労使確認書の締結から本件配転命令までの経緯 労働協約違反とまでは認められないとしても,客室乗務員の職位をめ ぐる紛争を解決する目的で本件労使確認書を締結し,その中で組合員で - 15 - ある客室乗務員の職位確保等を約束したにもかかわらず,本件労使確認 書締結からわずか10か月で本件配転命令を強行したことは,労使間の 信義に悖るものである。
(ウ) 客室乗務員=FAという慣行に反すること 被控訴人においては昭和22年に日本に就航して以来平成14年まで の長きにわたり,FAという職種が客室乗務員職を担っており,エスコ ートやIFSRなどFA以外の機内乗務職は,あくまで機内通訳ないし 免税品等販売員という客室乗務員とは異なる職種として扱われ,そのた め労働条件も大きく異なっていた。
したがって,現役のFAを配転して までIFSRを客室乗務員とすることは,これまでの労使慣行に著しく 反する。
(エ) 過去に配転事例がないこと 過去に組合員であるFA職が客室乗務員から地上職へ意に反して配転 された事例は皆無であり,本人の意思に反して客室乗務員を奪われるこ とはないという労使慣行があった。
本件配転命令はかかる労使慣行に反 する。
(オ) FAを狙い打ちにしたこと 被控訴人は人件費削減のために配転を行うとしながら,本件配転命令 を行うにあたり,日本支社において,東京ベースFA以外の従業員を配 転対象とせず,もっぱら東京ベースFAのみを対象としたものであり, 人選の合理性を欠いていた。
(カ) 先任順位の考え方に反すること 被控訴人は,本件配転命令の対象者を先任順位の低い者から選ぶとし ながら,FAより遅れて客室乗務員となったQIFSRを対象に含めな かった。
本件配転命令が行われた平成15年3月1日当時,客室乗務員 資格を取得したQIFSRは58名いた。
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